僕の嫁♂のお話。
 彼は20代の頃はプチ女装をしていました。可愛かったんですよ。今はおっさんだけれど。

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 僕と彼が出会ったのは20代の時。僕は21才で彼は25才。
 僕は当時かなり武闘派のヤクザのお坊ちゃん(当時カタギ)と付き合っていました。
 僕がよくパパ彼と呼ぶ人です。この人とは不倫で25才年上。

 僕と嫁♂が出会ったのはメールとも募集掲示板。
 今でいう出会い系だけれど、出会い系の登場の結構前です。  
 純粋なメル友募集掲示板。
 で、彼が出張で僕が住んでいる四国の近くに来たので、岡山で合流して遊びました。
 パパ彼激怒。・・・武闘派やくざのお坊ちゃんですから。もう説明はするまい。

 嫁から

「新幹線に乗っているんだけれど、やたら怪しい強面が二人付いてる」

と電話。3日ほど行方不明になっていた僕をパパ彼が探していて、見つかっていたみたいです。
 こわっ。
 彼に着いた下のもんはパパ彼のお兄ちゃんの部下(本職)

「ヤバい」

 慌ててパパ彼に電話したら、聞いたことがない声。・・・ヤバい。怒ってる。
 岡山から高知まで最速で帰りました。・・・軽自動車で最速・・・もう無理。
 
 パパ彼と駐車場で待ち合わせして、合流したら

「あいつのこと(嫁♂)好きなのか?」

 ・・・プチヤクザモードだ・・・。こえーよ。

「結婚する。パパとは結婚できない。奥さんのこと愛してるじゃん。奥さんと別れろとは言えない」

「俺があいつを殺したらどうする?俺を裏切って消えた女だっているぞ」

 ・・・知ってます。そしてその数が少なくないことも。だってパパ彼の性格は僕のオトコバージョンと同じだから。

「そうするなら今ここで、パパを殺す」
「俺を殺したら兄貴が黙ってないぞ」
「一緒に死んでやる。地獄は一人では寂しいだろ」

 でパパ諦める。

「そんなに好きなら仕方ないな。お前に寂しい思いさせてきたし・・・」
「パパ彼とも別れる気はない。愛情なんて陳腐なつながりじゃないから。パパは父親だから」

と僕。パパ彼は僕のために財産売ってお兄ちゃんを止めてくれました。

 パパ彼を嫁♂と会わせました。嫁♂と実の父が合うのは結婚してずっと後なのに(笑)

「お前のオトコ俺の若いころに似てるなあ」
と笑っていました。

 ・・・最近嫁♂が年を取ってあの時のパパ彼と同じ年になって、その意味が分かりました。似てる(笑)

 僕の嫁♂には

「お前にヤクザは向かない。だからお前はやくざは憧れるだけにしとけよ」

と言ったとか。僕には向いてると言ってたくせに・・・。

 パパ彼は亡くなってしまいましたが、今でも好きです。
 それは父親を慕う息子のようなもの。
 そしてあの人は僕と双子のような魂を持っていたと今も思っています。

 嫁♂が初めて一緒にお泊りしたときに、

「ただいま」

と言ったのはまた別の話。

 読んでくれてありがとうございました。またね